販売データ110番

目標管理編1

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1. 目標管理資料を「追跡できる」資料に

目標管理に使う「予実績一覧表」。
今使っているのはどんな資料ですか?

もし、部署の目標達成が危ぶまれるとしたら、苦戦している担当者は誰か、資料から分かりますか?
その担当者は、どの顧客で苦労していますか?
その顧客で、売上が落ちている商品は何ですか? ・・・・・・

目標管理では、達成の成否を確認した後、未達成部分の原因を突き止め、改善するステップへと進まなければなりません。

したがって、どうせ作る予実績管理表なら、成功理由や苦戦原因を追跡できるしくみも仕込んでおきましょう。
材料は販売データの中にありますから。

仕込んでおくべき情報は「内訳情報」。
部署、担当者、顧客、顧客属性、商品、商品属性など…

ただあまり多くの情報を「表」に盛り込んでも、非常に見づらい表になります。
内訳情報は「グラフ」として仕込みましょう

「計画と実績、そして販売内訳を見ることができる予実績管理の環境を作る」、データ活用の第一歩です。

 

 

伸張/不振理由追跡可能な目標管理グラフ例

 

担当者別実績グラフ

担当者別実績グラフ

営業1課の目標管理には、4つの階層(階層1:課、階層2:係、階層3:営業担当者、階層4:顧客)別に
実績を集計したものが使われています。
1課では、目標管理を担当者別に行っているので、まず担当者別の実績グラフをみます。
担当者別実績の今月のトップは「カーリー」でした。計画比も100%を超えています。
ではカーリーは、どのお客で成果を挙げているのでしょうか。
次は「カーリーの担当顧客別実績グラフ」に移動します。

 

カーリーの担当顧客別実績グラフ

カーリーの担当顧客別実績グラフ

 カーリーの好調の理由は、上位顧客でおおむね計画を達成していることのようです。
それでは実績1位の「海野興業」の実績推移を詳しく見てみましょう。
「海野興業の月別実績グラフ」に移動します。

海野興業の月別実績グラフ

海野興行の月別実績グラフ

今期に入ってからの「前期比」の向上と、今期後半の「計画比」の改善が見て取れます。
特に今期11月以降の「利益率」の伸びが大きく目立ちます。
何が貢献したのでしょう?
「海野興業の月別中分類内訳グラフ」に移動してみます。

 海野興行の月別中分類内訳グラフ

海野興行の月別中分類内訳グラフ

グラフに表示するアイテムを順に切り換えてみていくと、どのアイテムが利益率向上に寄与しているのかを
探すことができます。それはテレビ、洗濯機、冷蔵庫でした。
次は「海野興業のテレビ、洗濯機、冷蔵庫の月別実績グラフ」を見てみます。

海野興業のテレビ、洗濯機、冷蔵庫の月別実績グラフ

海野興行のテレビ、洗濯機、冷蔵庫の月別実績グラフ

売上構成比の高い3つのアイテムが、海野興業の利益率向上に貢献していることが分かりました。
このようにして、グラフに表示する階層や項目、あるいは内訳表示する項目を切り替えながら、
伸張/不振理由を追跡していくのです。

 

2.苦戦の要因追跡

ここに、営業目標の達成が危ぶまれる担当者がいます。
マネージャが彼の目標達成を指導・支援するためには、まず苦戦理由の把握が必要です。

当然、担当者からヒアリングするでしょうが、同時に客観的な検証も行いましょう。

キーワードは「比較」です。

実績が伸び悩んでいる顧客については、伸びている顧客とその販売内容(商品内訳など)を徹底的に比較しましょう。

商品ならば、同じ商品がどの顧客にも売れていないのか、特定の顧客にだけ売れていないのか、
顧客ごとにその売れ方を比べます。

そして「その違いの理由」を追跡するのです。

なお、苦戦要因把握の後に行う改善策は、担当者の「どの顧客に、どの商品を」という具体的な行動に
つながらなければなりません。

そのためにも要因追跡は、最終的なターゲットとなる顧客・商品のレベルまで掘り下げることが大切です。

 

グラフでの要因追跡例

 

分析例として、目標達成が危ぶまれる「石川電気」の不振理由を調べます。

最初に石川電気の現在の実績情況を見てみましょう。
それには「売上高」「計画達成率」そして「前期比」の推移を併せて見るとよく分かります。
次の図はそれらをグラフにしたものです。

石川電気の実績推移

石川電気の実績推移

石川電気の売上実績は今期に入ってから徐々に落ちてきており、計画達成に問題があるばかりではなく、
前期比も低迷しています。これから、その苦戦理由を調べていきます。
調べる方法として、ビジネス規模も商売の形態も似ている顧客の中から好調な顧客を選んで
販売内容を比較することにしました。

 

比較対象顧客の抽出

比較対象顧客の抽出

商売の形態が類似している顧客のそれぞれの売上実績推移をグラフにしてみました。
これらの顧客の中から、前期の売上規模が石川電気とほぼ同じで、
今期も良好に推移している「南商会」を比較対象にすることにしました。

 

石川電気と南商会の合計売上の推移

石川電気と南商会の合計売上の推移

このグラフから両者の差は、今期に入ってからの石川電気の売上が、減少傾向にあることが分かります。
そこで石川電気の売上減少の要因を探るために、商品分類「中分類」の各アイテムごとに
両顧客の推移を比較することにしました。

 

2つの顧客の商品分類(中分類)別売上推移

2顧客の商品分類(中分類)別売上推移

中分類の各アイテムについて1つずつ両者の売上推移を比較していきます。
その結果、その差は「テレビ」にあることが分かりました。
次はさらに細かい「中小分類」レベルで、「どのテレビ」がその原因なのかを調べます。

 

2つの顧客の商品分類(中小分類)別売上推移

2つの顧客の商品分類(中小分類)別売上推移

同様に中小分類の各アイテムごとに売上推移を比較した結果、「液晶TV57(57インチ液晶テレビ)」の販売が苦戦要因と分かりました。

今度はいよいよ個別商品レベルで調べます。
中小分類「液晶TV57」に属する商品は2機種ありましたので、
顧客ごとに2つの商品の実績を集計しました。

 

石川電気の個別商品売上推移

石川電気の個別商品売上推移

 

南商会の個別商品売上推移 

南商会の個別商品売上推移

上の2つのグラフから、石川電気の苦戦要因は、「商品型番 TV57VE のテレビ」の不振にあることが分かりました。

また、両顧客の状況を詳しく見ると、
・石川電気の「TV57VE」の実績は、前期はまだ売れていたのに、今期になってから低迷している
・南商会は反対に、今期になってから実績が向上している
という顕著な違いがあることが分かります。

 「この違いは何か?」を追跡していくと、不振の理由(=改善策のヒント)が見つかるでしょう。

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