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ポートフォリオ2

ポートフォリオには、「金のなる木」とか、「負け犬」、「勝ち負けを決める線」などのことばが出てくるが、これらはみな「競争」を意識したことばである。
そこで今回は、市場における「ライバルとの競争」について整理しておこう。

商品(またはビジネス、以下同じ)には常に「ライバル」がいて、競争がある。
現在自社が取り組んでいる1つ1つの商品、そのどれをとっても、必ずライバルがいるはずである。

そのライバルは、存在がはっきり見えている場合もあるし、見えていない場合もある。
また、こちらのシェアを奪おうと、ひそかに画策しているかもしれないし、これから参入しようとして、こちらの動きをじっと見ているかもしれない。
このような市場で個々の商品戦略を組み立てていくには、当然ライバルの動きを計算に入れていかなければならないが、思い思いに動いているライバルの状況を把握することは、そう簡単には行かない。

ところが、一見バラバラに動いているように見えるライバルの動きを整理して、戦略検討の材料にするうまい方法があった。
それはライバルの動きを調べるのではなく、ライバルの動きを想像する方法である。

たとえば、当方のある商品Aが今市場で大きな成長率を実現しているとすれば、ライバルは皆、A商品への参入を企てようとするであろう。
たとえば、当方が商品Bのテレビ宣伝を始めたら、ライバルは当方の「シェア拡大戦略」を嗅ぎ取って一斉に対抗してくるだろう。(最近のテレビコマーシャルを見ても、ランドセル、パチンコ、法律事務所などの例にそれを見ることができる)
また、今まで市場になかった商品を当方が始めたなら、ライバルはそれをウオッチし、「行ける!」と感じた時点で参入してくるであろう。

このように、当方の商品の「市場における位置づけ」をはっきりさせられれば、それに対するライバルの動きを想定することができるのである。

そこでポートフォリオ。
ポートフォリオは、個々の商品の「強み」と「弱み」、そしてライバルとの競争関係を考慮した戦略を考えるための、たいへん優れた分析環境を提供してくれる手法である。

ポートフォリオでは、当社の商品の「市場における位置づけ」を確認するために、その成長度合い(前年比)と市場シェアを軸にしたチャート上に、個々の商品をその成長率とシェアに応じた場所に配置して考える。
このようにすれば複数の商品の市場における位置づけがよくわかる。
このチャート上で、たとえばシェアが大きくかつ伸びている商品は、魅力的であるがゆえに、ライバルから見ても気にならないはずはない。もしライバルがこの商品でそれなりのシェアを持っているならば、真っ向から対抗してくるはずである。
もしライバルが「金持ち」で、この商品にまだ参入していなければ、力ずくで参入してくるかもしれない。

このようにポートフォリオ上では、個々の商品が配置された「位置」が、その商品の競争状態とライバルの動きをも示唆してくれるのである。

なお、実際の分析に当たっては、前述した「成長率」と「シェア」のほかに、次の点も考慮すればより確度の高い判断ができる。

①その商品は今まで市場になかったものか、すでにポピュラーなものか。
②成長率とシェアは今後どちらに向かって変化するであろうか?
③当方の動き(拡売策)をライバルはどう見るであろうか?

以後、これらの要素も絡めて、詳しく述べていくことにする。